彗星は天浮橋の物語
暗黒の宇宙の彼方から白一条の彗星が大地に近づく。祖先はその白い光が地上の生命の源であったと信じてきた。天孫降臨の天浮橋の物語はまさにその描写に外ならなかった。
(『儺の國の星拾遺』 p.50)
ニニギノミコトが高千穂に天降った時、天上と地上の間にかかっていた天浮橋は彗星の尾だという。

ニニギノミコトは農業の神として信仰されており、〝ニニギ〟とは「ニギヤカ,ニギワウの〈ニギ〉を重ねた語で,稲穂が豊かに実ることを予祝してつけた名称。稲穂の
(コトバンク『世界大百科事典』)
彗星(天浮橋)と豊穣(ニニギノミコト)の組み合わせは、これまでの記事で紹介した内容とリンクする。
(過去記事「生命の起源は宇宙にありと言う概念」・「籾種の変異は里よりも山」・「突然変異と適者適存の56億7000万代」に記述。)
宇宙からの飛来物質が生物に与える影響を期待し、利用してきた人たちには、あの神話はそう読める話になっているのかもしれない。
彗星がニニギノミコトにつながるとは思わなかった。
*補足*
天孫降臨の箇所は『儺の國の星』p.81でも引用されている。
そちらでは〝天の
解釈の違い、バリエーションがあるので読むには注意が必要だ。
さて、天浮橋を彗星の尾に見立てるのは天孫降臨の場面だけではない。
神話によるとイザナギノミコトとイザナミノミコトも天浮橋に立ち下界の様子を見ていた。
『儺の國の星』に北斗七星をイザナギイザナミとする話があり、ハレー彗星が現れる時、尾が北斗七星を覆わんばかりになることがしばしばあったようだ。
次図はAD684年のハレー彗星である。

シミュレーションでは地平線からスックと立った北斗七星に彗星の尾がかかる様子がわかる。
それを、天浮橋(彗星の尾)に立ったイザナギ・イザナミに見立てたと思われる。
なぜ北斗七星がイザナギ・イザナミになるのか不思議だったが、天浮橋が彗星の尾だとすると説明がつくのだ。
イザナギ・イザナミの話は祖先神の話という解釈もあれば、星の話という解釈もあると言うこと。

次図はAD218年のハレー彗星である。
地平線に沈みゆくハレー彗星は確かに天と地の間にまっすぐ立っている。
これが天浮橋だと言うならそうかもしれないと自分には思えた。
追記
拍手やメッセージありがとうございます。嬉しいです。
追記
『儺の國の星』p.16にも同様の文がある。








