生命の起源は宇宙にありと言う概念
筆者によれば、昔の人は新しい草木の品種は天から授かるもの・星や雨や風から誕生するものだと信じていたそうだ。
昔の人は新しい品種は天から授かるものと信じておりました。生命の起源は宇宙にありと言う概念は、極東の民族だけでありまして地中海文明は
混沌 たる世界から分離蒸発した宇宙に天と地の境なるところに生れた人間が昇天することになっておりました。
昔の人は日々の生活を向上させる新しい草木の品種は、総て星や雨や風から誕生すると信じておりました。これは宇宙空間の自然放射能による突然変異を期待してきた形になっております。現代科学による人口放射能から生成される生物異変はどれもこれも奇形ばかりで、しかも一代限りであります。ところが自然放射能から出る系統は永遠の進化能力を賦与 されております。昔の人は田廻り山廻りして常に新しい品種を採集してその種子を繁殖させておりました。現在の庭園は正に各氏族の苗圃 であり、盆栽は育種の技芸でありました。神代の斎庭 は人間生活に役立つ米稲の品種の試験場でありました。(『儺の國の星』p.13 )
人工的な変異は弱く一代限りなのに対し、自然の変異は永遠の進化能力があるというのは面白い。
この箇所を読んだとき、米の品種「龍の瞳(いのちの壱)」を思い出した。
農家の方がコシヒカリの田んぼの見回りをしていたとき、とびぬけて背の高い稲があったのだそうだ。
そのわずかな株から種籾をとって増やしていかれたのだそう。
同じように植えたコシヒカリなのに、こんな風に自然の突然変異で生まれる種がある。
「日々の生活を向上させる新しい草木の品種」が「星や雨や風から誕生する」事を示した例ではないだろうか。
この話、もう少し続く。