Alkes⑦ 二十八宿「翼」を構成する星の一つである

コップ座と二十八宿の翼が重なっている様子
コップ座と二十八宿の翼が重なっている様子
 この星はまた、二十八宿の一つ「翼」を構成する星でもあります。
 宿しゅくというのは、わかりやすく言うと中国式の星座のことです。上図のピンクの線で書いているのが「翼宿」になります。星座線がはくちょう座っぽくて本当に鳥が“翼”を広げているようですね。

 翼宿の形について『儺の國の星拾遺』には次のように書かれています。

大陸の星宿名は翼である。この星が南の空に見える頃は晩春で、鶴や鴨が翼を広げて霞の中を北に飛びさる頃である。
(中略)
翼とは(こふのとり)が羽を広げた形であるが、漢方の言葉では、女人が腰をひらき子を産む姿の意に流用されていた。

(『儺の國の星拾遺』p.49)

 話は変わりますが、翼宿の和名を「 襷星たすきぼし」と言うそうです。アルケスの別名「 田付星たつけぼし」とちょっと発音が似ていますね。
 もしかすると「タツケ」が訛って「タスキ」になり、「襷」の字を当てたのではないか、なんて思いました。
 
 『儺の國の星拾遺』には「タスキ」星もあります。それは獅子座のデネボラです。字は「田耜」星で、やはり田作りを連想させます。

 水田の準備をするのに、アルケスを見ていた人たちとデネボラを見ていた人たちがいた、ということでしょうか。

二十八宿図

Twenty-eight mansions.jpg
By 柄沢照覚(柄澤照覺) – 安部晴明簠簋内傳圖解(あべのせいめい ほきないでんずかい) 東京神誠館 1912年 http://kindai.ndl.go.jp/index.html, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=12390152



[previous][next]