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Alkes④ 漁に関する名前

 春を感じるのは草木ばかりではありません。
 この星が見える頃、水辺に春を感じることからついた名前があります。

夜半に吹き荒る海風が募る頃になると白魚(しらす)即ち、氷魚(ひうを)が川を遡る。百姓はこの星座の名を心得ていたか、すでに近東の空の知識を何時か何人かに口伝へながら教えられていたものか、漁師の持つ魚掬いの ざるや漕ぎ乗る舟の形に見立てていたものか、 板付星いたつけのほしの名があった。水温み舟を入れる季節のはじまりである。磯の石を積み上げたところに春近きを知る魚の群れを感じる名であって、鯔寄星(いなつきのほし)が昔の書き方であったかもしれない。菜著星(なつきのほし)とは、海藻が冬の潮に浚われて浜に打ち上げられる季節である。

(『儺の國の星・拾遺』/真鍋大覚/那珂川町)太字はnakagawa

 箇条書きにします。

  • 板付星いたつけのほし
  •  この星が見える頃、氷魚(私注:鮎の稚魚と解釈しました)が遡上するのですね。
     そしてコップ座の形が 魚籠びくに似ている事から、魚を捕るために舟を出す発想につながり板付舟ならぬ板付星の名前がついたようです。コップ座の形はなるほど竹製の魚籠にそっくりです。

    コップ座
    魚籠に似ているコップ座の形
    DAO-26521 藝術,美工,設計,素材,廣告,廣告素材

     「板付」といえば板付遺跡を連想させます。弥生時代当時は海が今より内陸に入り込んでいたでしょうから、ここに書かれているような光景が見られたかもしれません。《水温み舟を入れる季節のはじまり》ですから、アイヌのチプサンケ(舟おろし)のような光景も見られたかもしれない、などと想像を膨らませました。
    "chipsanke"
    板付舟のイメージ アイヌ民族の儀式「チプサンケ」の様子

  • 鯔寄星(いなつきのほし)
  •  鯔とあるのは、ボラのようです。
    日本の旬・魚のお話」というサイトに詳しく載っていました。
     この魚は河口や内湾の汽水域に生息し、関東から九州の太平洋側では、 10 1月に海で産卵し、翌春幼魚が沿岸の河口や河川に群れを成して遡上してくるのだそうです。
     また古名を「クチメ」といい、『日本書紀』で山幸彦が無くした釣針を口から出したのがこの魚だという説があるそう。
     「いなせ(勢いがよく、少し斜に構えた様子)」の語源にもなった魚とのことです。
     古くからとても身近で、季節だけでなくいろいろなことを想起させる魚だったのですね。

  • 菜著星(なつきのほし)
  •  地上の草木だけでなく、水中の藻類も芽吹く季節。
     春の嵐で海岸に打ち上げられた光景からついた名前のようです。
     これも季節の風物詩なのですね。



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