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Alkes③ 春の草木を表す名

コハコベ
コハコベ
By Kaldari投稿者自身による作品, CC0, Link

 コップ座アルケスには春の植物の名前もあります。

 田付星たつけぼしは又蘩蔞星(はこべらぼし)柞星(ははそのほし)そして、特に那珂川で茅花星(つばなのほし)茅蔞星(つばらのほし)石蒜星(づべらぼし)と言う。“づべら”とは彼岸花の葉の方である。葉ありて花の咲けるを知らず、花燃ゆるとも葉の緑なるを知らず、故郷に祖先の墳墓の 何處いづこにあるかを知らぬ 蒼氓そうぼうの心であった。

(『儺の國の星拾遺』p.50)

 箇条書きにします。

  • 蘩蔞星
  • (はこべらぼし)

     「はこべら」は冒頭の画像のような小さく白い花を咲かせる草花で春の七草の一つ。薬草でもあります。もしかすると春にこの草を摘むことが、大切な仕事だったのかもしれません。だから星の名前になっているのかも。

  • 柞星(ははそのほし)
  •  「柞」はクヌギやミズナラを言うそうです。和歌では「母」を引き出す言葉として使われますね。( ところが『儺の國の星拾遺』では「柞」について別の話が書かれています。話題が逸れてしまうので、この記事の最後に付け加えます。)

(次からは特に那珂川で用いる星の名前)

  • 茅花星(つばなのほし)
  • 茅蔞星(つばらのほし)
  •  「つばな」「つばら」も春の代表的な草花ですね。(「つばら」は方言でしょうか?)

    茅花
    茅花

     春の植物というだけでなく、有用だから星の名前になったということもあるのでしょう。白いホワホワした穂が広がっている光景は見ているだけで楽しいです。

  • 石蒜星(づべらぼし)
  •  「石蒜」は彼岸花の葉で、ちょうど四月頃葉が消えるそうです。他の植物は花が咲いたりする季節なのにこれは違うのですね。
     彼岸花は葉と花が同時に生えないので、「故郷に祖先の墳墓の何處いづこかにあるかを知らぬ蒼氓の心」を表した名と言うことです。この土地には外来の人々もいたようです。
     「祖先の墳墓」の発想は「ははそ」にも通じるものがあります。

「ははそ」について

 それは殷の時代まで遡る話になります。

 殷代から周・秦代に至るまで、夏至の日に老いも若きも相和す祭りがあったそうです。
 それが漢代以降は祖先の霊を祀る行事へと変化したのだとか。
 そしてその祭礼の日に祭壇に立てる木が「柞」で、倭人が「ははそ」と訓んだとのこと。
 「ははそ」というのはブナやナラといった特定の木のことではなく、祭壇に立てる木のことだというのです。

 那珂川町の木である 楊梅やまもももまた“ははそ”なのだそう。
 昔はこの木を古墳の上に植える式例があったそうです。
 今の神事の“さかき”は後世の代用なのだとか。
 ちょっとビックリな話ですね。

 那珂川町市ノ瀬の日吉神社には、楊梅やまももの木があります。
 幹が空洞になっていますが上の方の枝には葉が茂っていて、いかにも古木と言った風情に感動します。この木が町木の由来となったそうです。
 ということは、この神社は「ははそ」に関連しているとも言えそうです。

6/2追記
日吉神社の楊梅と「ははそ」について、コップ座α星Alkes⑤ 柞星・石蒜星 そして市ノ瀬日吉神社に書きましたので、よければお読みください。


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