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Alkes⑭ 彗星と黒白の祭祀

  彗星が黒い夜空に白い尾をひくことから、色彩の黒白の話へと展開します。
 

 暗黒の宇宙の彼方から白一条の彗星が大地に近づく。祖先はその白い光が地上の生命の源であったと信じてきた。天孫降臨の天浮橋(あめのうきはし)の物語はまさにその描写に外ならなかった。

(『儺の國の星拾遺』 p.50

 玄白とは陰唇の色調を漢語に容約した形容である。百姓は卯月(うづき)の頃若草を外し、黒い生土を掘り起し空の白さを映す溝を開く。自ら成さずして玄白の理を心得ており、もって秋には神前に黒酒白酒をささげて、又来る年の豊饟を祈ってきたのである。

(『儺の國の星拾遺』 p.50

 「百姓」は「自ら成さずして玄白の理を心得て」いて、秋に「神前に黒酒白酒」を捧げるとあります。

 そういえば新嘗祭に供えられる神酒は黒酒と白酒でした。

 新嘗祭の白酒黒酒しろきくろきは、萬葉集の時代には既にあったようで、古い風習なのだと思います。

 

 
【原文】
 廿五日新甞會肆宴應詔歌六首
  (中略)
四二七五 天地与 久万弖尓 万代尓 都可倍麻都良
     牟 黒酒白酒乎

【訳文】
 二十五日、新甞会にひなへのまつり肆宴とよのあかりにして、詔に応ふる歌六首
  (中略)
四二七五 天地あめつちと ひさしきまでに 万代よろづよ
     に つかまつらむ 黒酒白酒くろきしろき

*太字はnakagawa

(参考:『訳文萬葉集』鶴久編/おうふう)

 

 黒酒白酒というと思い出すのは夏時代(前18~17世紀)の 白陶盉・黒陶盉。

 白陶盉・黒陶盉(夏時代・前18~17世紀)
白陶盉・黒陶盉(夏時代・前18~17世紀)河南博物院
「誕生!中国文明」展図録より

 祭祀に用いられたらしいこの器、『儺の國の星拾遺』の言を借りれば、彗星の色彩である黒と白を尊ぶところから来ていることになりそうです。

 そして、おそらく新嘗祭の黒酒白酒もその流れにあるのではないかと思いました。

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 黒と白の祭祀でわかりやすい例というと、鯨幕ではないでしょうか。

鯨幕
鯨幕

 今では仏事のイメージがありますが、本来これは高貴な色とされたそう。

 皇室の行事や出雲大社などではこちらが使われるそうです。

 古代中国の黒白祭祀の伝統が日本にやってきて、新嘗祭の黒酒白酒などに残っているとしたら興味深いです。

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  祭事の色彩と言えば紅白もありますね。『儺の國の星拾遺』には、赤と白は北欧由来だと書かれていました。
 (Zuhr④ 紅白は北欧由来 紅はフレイヤ白はユール
 

 黒白の祭祀と紅白の祭祀は発祥が違うのですね。

 黒白は中華由来、紅白は北欧由来。だとすれば面白いです。

 ちなみに新嘗祭の黒酒は久佐木という植物の灰を混ぜたものだそうで、古代は赤米黒米から造っていたという説がありますが、『儺の國の星・拾遺』には、黒酒は果実酒で白酒は穀物酒だと書かれています。

 果実酒で真っ先に思いつくのはワイン。

 ここにも西洋の文化が入っているのだとしたら、本当にいろいろな文化がミックスされているのだと思いました。

参考までに、酒造メーカー月桂冠のサイトに黒酒白酒についてわかりやすいページがありましたので紹介します。

白酒・黒酒(しろき・くろき)大嘗祭、新嘗祭で供えられ、神と共に食される御酒

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