さそり座のシャウラ、いて座のカウスアウストラリスには、猿太星・挙母星のほかにも別名があります。
それが
これは夏至の祭りに由来する名前です。
まず沙羅星について『儺の國の星拾遺』p.29より引用します。
沙羅星 と書く。□臘星 でもあった。 (中略)
昔は夏至の日に老いも若きも相睦び相和す祭りがあった。これを周の世は祚 とよび、秦の世には 臘とした。八百萬神 の相集う月であったが、後には祖先の霊魂をこの日に一括して祀ることになったのは漢(前二〇二~後八)の世に入ってからと聞く。
次に伽日良星について『儺の國の星拾遺』p.35より引用します。
真夏の夜の舞踊を殷代(前一四〇一~一一二三)には、嘉平といった。これを倭人は“かひら”と訓じ韓人は何比羅と書いた。
伽日良星 の名がこれである。周代(前一一二二~二五〇)は、祚 、秦代(前二五九~二〇七)は臘 といった。これが“さたのほし”の由来であったかもしれない。爰女星 の名があった。 海の下に果てた星影の神話が思い出されるところである。
注
* □で欠字にしている文字はという漢字です。
** 歴史的仮名遣いですので、読みは「やほよろず→やおよろず」。
音韻的に、この名前も「サル」に通じるなぁと思っているところです。
(沙羅「サラ」はr音が紛れやすいですね。嘉平も現代ピンインで“jiā píng”ですので、殷代音は日本語のサ行古音に近かったかも?)